・我が国における障がい者雇用施策は大きな転換期を迎えようとし
ている。
・知的障がい者の一般就労がいまだ十分でない現状のみに捕らわれ
て一般就労の蓋然性を直ちに否定することは相当ではない。
・あくまで個々の知的障がい者の有する稼働能力(潜在的な稼働能力
を含む)の有無、程度を具体的に検討した上で、その一般就労の蓋然
性の有無、程度を判断するのが相当である。
・これを本件について見ると、少年の潜在的な稼働能力が顕在化し、障がい者でない者と同等の、場合によっては障がい者でない者より
も優れた稼働能力を発揮した蓋然性は高いというべきである。
自閉症を伴う重度知的障がいの少年の死亡事故による損害賠償裁判
過失の賠償をめぐり、両親と入所施設が争いました。
施設側は過失そのものは認めましたが、損害賠償で支払われる逸失利益と慰謝料のうち、少年は将来働くことができなかったとして、逸失利益を認めず、慰謝料も通常支払われる金額を下回る金額を呈示したことに対し、両親が「いのちの差別」として施設を訴えました。
判決では、少年の就労能力を認め19歳までの平均賃金に基づく逸失利益と通常支払われる慰謝料及び弁護士費用の一部と死亡してから賠償が履行されるまでの年5分の遅延損害金の支払いを施設側に命じました。
NPO 法人障害児・者人権ネットワークが主催しました和真くん「いのちの差別」裁判を支援する会は、NPO総会の意向も踏まえ、裁判が終了しましたので、閉会させていただきます。
裁判傍聴・署名等 応援いただきました皆様のご愛顧に感謝します。
(裁判の記録につきましてはご両親のHPに掲載しています。)
NPO 法人 障害児・者人権ネットワーク